トランスフォーマー マスターピース MP- 44 コンボイ Ver3.0 玩具レビュー
トランスフォーマー マスターピース MP- 44 コンボイ Ver3.0 玩具レビュー
TRANSFORMERS MASTERPIECE MP-44 CONVOY Ver3.0
シリーズ |
|
忠誠 |
サイバトロン |
ナンバー |
MP-44 |
発売日 |
2019/8/31 |
価格 |
50000円(税別) |
- 解説
- レビュー
- 感想
- 可動箇所
- 画像集
- 関連ページ
解説
ジェネレーション1に登場した総司令官コンボイの3度目となるマスターピース化。Ver1.0が2003年、Ver2.0が2011年なので、現状8年周期で更新されています。
近年、アンコール版ゴッドファイヤーコンボイの3万円、MPビーストメガトロンの35000円 などをはじめ、トランスフォーマー玩具の高額化に歯止めが掛からない現状ですが、遂に定価5万円という公式で市販されたトランスフォーマーの単品玩具*1としては最高額の商品*2となります。
コンボイ本体以外に、コンテナとフィギュア、各種オプションパーツとてんこ盛りの内容で、徹底して『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』のアニメを再現する事に拘っています。
レビュー
ロボットモード
G1アニメでみたあのデザインが遜色なく再現されています。過去のMPではグレーだった腰と腿もホワイトになりました。成型色のホワイトは安っぽくなりますが、塗装されていますのでそういう印象はありません。ホワイトに限らず、全身塗装されています。
サイズはスタジオシリーズやパワー・オブ・ザ・プライムなどのリーダークラス相当ですが、アニメにないディティールはほぼなく、極めてシンプルです。基本映らない足底、変形の都合上ある境目などデザインの違いがあります。
再現されていない箇所として挙げられるのは背中でしょう。サウンドギミックをここに仕込んだ為かアニメ版よりもずっと厚みがあり、スピーカー用の穴もあります。
顔も一切、ディティールの追加はなくアニメ版を再現しています。映画でのダメージバージョンの他、国外制作版でみられたバージョンの頭部も用意されています。メガトロンでもこのバージョンは用意されていませんでした。
手はそれまでの角張ったものではなく、アニメ同様丸みのあるものになりました。
ビークルモード
付属フィギュアを2人まで登場可能。
G1玩具やそれまでのMPにあったフロント部分のシルバーのラインはアニメ版準拠なのでなくなりました。
G1玩具では、このシルバーのラインがロボットモードでは脇腹になるのですが、MPではどのバージョンでも別パーツが使用されているので、敢えて外してこなかった要素もここで外されました。
コンテナ側面のラインもG1玩具やVer2.0よりも単純化されています。ただ、アニメで描写されることがほぼなく、底面や内部のディティールは細かく、玩具版の要素が強いです。
コンテナの背面にはオプションパーツを収納できるスペースがあります。
ローラー
付属フィギュアを4人まで搭乗可能。
MP Ver2.0では一人乗りでしたが、G1玩具同様4人乗りで後部座席は反対を向いています。
コンテナや高射砲の牽引、レーザーライフルなどを後部に取り付ける事が可能。
コンバットデッキ
アニメ本編では1度のみ展開された事がなく、加えて移動基地として使用された事はありませんが、玩具という点でみると、移動基地の要素が重要で、今回のMPでもオミットはされず、G1玩具では可能ながらもMP Ver2.0では再現できなかったモードにもなれます。
随所に鉄板が設置されており、フィギュアを安定して立たせられます。
各種形態
左上から
- スーパーダッシュ機構
- サイバトロン基地
- 移動攻撃体制
- 移動探査体制
- 移動指揮体制
- タワー基地
メンテナンスドッグ
アニメでの描写は一切ないダイアクロン時代の名残です。
司令塔スペシャル高射砲
アニメ本編では1回のみの登場の謎兵器をベースにG1玩具版のを移動可能にアレンジしています。
左から
フィギュア
スパイク、スパークプラグ、カーリーの3人。
過去のMPに付属されたフィギュアよりも、現行のダイアクロン隊員とほぼ同等の可動箇所となり、足底にはマグネットがあります。ただ間接のボールジョイントは非常に外れやすいです。
ビークルモードに合わせたサイズなので、ロボットモードとの差だと幾分小ぶりな印象です。アニメ版が演出上、人間を大き目に描いているともいえます。
比較
過去のMPコンボイ
こうやって並べてみるとVer1.0がG1玩具版をベースとしたMP化、今回のVer3.0が完全アニメバージョンの姿となった印象で、Ver2.0がその中間といったポジションという感じではあります。
腰、腿の配色、ディティールの少なさ、露出していた脚部のタイヤも収納などの違いがわかります。
Ver1.0
マトリクスなどのアニメ要素に導入はあるにせよ、アニメよりも玩具としてのMP化であり、関節部にはアニメになかった油圧シリンダーがあり、リアルロボット的な味付けがなされているのが印象的です。更にダイキャストを使用しており、その重量感もロボット玩具ならではのものを彷彿させるものがあります。
Ver2.0
この前に発売されていた、同シリーズのグリムロックやロディマスコンボイとの身長を合わせる格好となりました。以降、同一スケールが売りの一つになっています。
プロポーションはアニメに近づけてきてはいるものの、マッシブな雰囲気が持たせられています。ディティール、配色などなどバランスのいい仕上がりでした。
Ver2.0は中心部分の結晶がクリアパーツなのに対し、Ver3.0は塗装されています。
他のMPとのサイズ比
概ね、同一スケールで展開されているマスターピースでの身長差はこんな感じです。
スパイクを164cm(根拠なし)とした場合のサイズ比です。参考程度に。
G1版
ロボットモードには35年の年月を感じる所でしょうか。最も、Ver3.0もまた35年前のアニメデザインなんですが。
Ver3.0のコンテナがG1のリメイクなのが判ります。
メガトロンのG1、MP版
後期ダイアクロン、ミクロマンの代表的な玩具等がこんな長い付き合いなろうとは。
ビーストコンボイ、実写版オプティマスプライムのMP版
この35年であらゆるコンボイが登場しましたが、3大コンボイとなると、こうなるでしょうか。あとはロディマスコンボイがMP化しています。
2010版スパイク、ダイアクロン隊員
2010版スパイクはウルトラマグナスの付属フィギュアです。可動は限定的で外れませんが、足底にはマグネットがないので立たせ辛いです。
変形
過去に例を見ない膨大なステップ数での変形となります。
従来のトランスフォーマーはビークルモードにロボットモードの要素を詰め込むものでしたが、これはロボットモードを徹底してアニメ版を再現する為にビークルモードの要素を内部に詰め込む格好となる逆転現象が起きています。
ビークルモード側面のパネルがほぼ足に収納
胸部のフロントガラスは裏返ってアニメ仕様に
腹部のエンジン、腰部のバンパーはどのMPもダミー
可動
基本的には過去のMPを上回り、肩を上げられるようになってより柔軟なポーズが付けられるようになりました。
膝関節もよく曲がり、正座もできます。
膝の可動はver1.0に及んでいません。
腰回転はver1.0と2.0が一回転するのに対し、こちらは意図的に制限がかけられています。腰と胴体をロックした状態ではほぼ回転しなくなりました。
ロック状態
ロック解除
股関節の可動では、ver1.0と同じ分割式といえますが、「アニメでの嘘」をある意味再現した仕組みになっています。また、塗装が剥げるのを避ける為か間接部分に突起があり、これと連動して腰パーツが稼働して太腿と接触しないように設計されています。
手の可動は親指、人差し指、残りの3本でそれぞれ可動します。ピン留めされているので以前のと違い外れません。
サウンドギミック
50種のサウンドギミックが収録。
玄田哲章氏によるG1アニメシリーズでのセリフです。長押しで切り替わりが可能でその際には変形音が鳴ります。またピーター・カレン氏のものと思われる英語版の音声も収録されています。
あくまでボタンを押すだけのもので、玩具との連動はありません。
付属品
武器
レーザライフルとエナジーアックスの劇中で使用された2種があります。
ライフルは折りたたみ可能でボディに装着できます。
マトリクス
ダイキャスト製。これのみVer2.0のマトリクスと同じ型です。
スタースクリームヘッド
スタースクリームがコンボイに偽装を解くワンシーンを再現した姿、あまりにもアナログな偽装方法で笑ってしまう所です。
ダメージウエスト
映画『トランスフォーマー ザ・ムービー』にてコンボイの致命傷となった部分です。劇中ではメガトロンの攻撃で破損し、その後、剥き出しになった内部を銃で集中的に撃たれる描写があり、適当なダメージ描写ではなく意図的に設定されたものです。
ちなみにTVシリーズだったら、この程度の攻撃では死にません。
ロケットブースター
3話で使用しています。本来の所有者でもあるランボルにも装着できます。
コンテナへの装着は玩具オリジナルモード
アダプタ
MPダイノボットに付属しているスタンド(TFパワーベース)に装着する事でコンボイ用として使用できます。強度も十分あるので自由な角度でのアクションポーズが取れます。
ビームエフェクト
エネルギー補給パイプ
再現シーン
ポーズが以前よりも柔軟担った分、再現しやすいかと思いましたが、そうでもなかった感じです。
マーベルコミック版の再現
感想
マスターピースのVer1.0からは16年、ダイアクロンのバトルコンボイから36年の年月が経って、遂にこの領域まで達したのかという感慨はあります。
ロボットモードはアニメ版の再現であるのに対し、アニメではビークルモード時に牽引される以外に描写される事は滅多に無かったコンテナ部分はG1玩具の再現という、コンセプト的にブレを感じるものの、5万円という価格設定の中で入れられるものは全部入れて決定版のコンボイにするという気概を感じます。
この35年の間、コンボイは何度となく商品化されてきた訳ですが、初代コンボイの玩具がとりわけ優れていたかといえば、そうでもなくてオリジナルはわずか3ステップで変形可能なシンプルな玩具でした。1982年にリリースされたバルキリーのようなオーパーツ的な玩具ではなく、本来なら1、2年で消えていく玩具だったのは確かです。
それでもトランスフォーマーとしてコンボイのキャラクター性を与えられ、シリーズが継続した事がこのマスターピースにつながってきました。これに関してはコンボイだけでなく、メガトロンをはじめ海外TVシリーズに登場したキャラクターの多くも同様です。
トランスフォーマーの普及にはアニメが非常に重要な役割を果たしており、アニメ版はそもそも作画の都合上、玩具の簡略化と人間的なプロポーションにアレンジされたものであって、決してこれがオリジナルという訳ではありませんが、ファンの中で根強く残っているのはアニメ版であり、その姿を完全変形での玩具化は意義のある事でしょう。
その為に変形があまりに複雑になり、反則とも揶揄されるダミーパーツの多用などあまりにコストが掛かりすぎるのは本末転倒であり疑問が残る所です。トランスフォーマーとして銘打っている宿命でしょうか。
シージで発売された、ジェットファイヤーも結構な高額商品(税抜18000円)でしたが、ガワ変形、ダミーパーツは殆どなく、尚且変形も比較的シンプルにまとまっており、アニメ版を再現した玩具としては理想的でした。
同日にMPMメガトロンが発売され、あの複雑なデザインを見事に再現した事に驚かされます。コンボイが徹底してディティールを排除したのとは対照的で、現行シリーズのサイバーバースとシージもキャラクターが被りまくりながらも両極端になって差別化しているのは興味深い所でしょう。
実写映画4作目となる『トランスフォーマー ロストエイジ』のオプティマスは変形の事をまるで考えていないデザインとなり、玩具はガワ変形となりました。今回のコンボイを手に取るとロストエイジのオプティマスプライムもいつの日か完全変形できるのかと期待したいですが、流石にこの価格設定はもう勘弁してほしいです。
可動箇所
首 |
肩 |
腕 |
肘 |
手首 |
◎ |
○ |
◎ |
○ |
◎ |
指 |
腰 |
股 |
膝 |
足首 |
○ |
△ |
◎ |
◎ |
○ |
スパイク・スパークプラグ・カーリー
首 |
肩 |
腕 |
肘 |
手首 |
○ |
× |
◎ |
× |
× |
指 |
腰 |
股 |
膝 |
足首 |
× |
◎ |
◎ |
○ |
× |
画像集
パッケージ
ロボットモード
手
頭部
可動
電池の入れ方
レーザーライフルの懸架(ロボットモード)
マトリクス装着
ビークルモード
コンテナ
レーザーライフルの懸架(ビークルモード)
フィギュアの搭乗
武器
レーザーライフル
エナジーアックス
マトリクス
フィギュア
ローラー
エネルギー補給パイプの取り付け:1
エネルギー補給パイプの取り付け:2
レーザーライフルの取り付け
ローラー装輪戦車装備
フィギュアの搭乗
司令塔スペシャル高射砲
スペシャル高射砲威力偵察体制
スペシャル高射砲火力支援体制
連結式12輪装甲車両装備
連結式12輪装火力支援装備
コンバットデッキ
ランディングギアの展開 連結部の可動
スロープの展開
コンバットデッキの展開
フィギュアのセッティング
スーパーダッシュ機構
サイバトロン基地
移動攻撃体制
移動探査体制
移動指揮体制
タワー基地
メンテナンスドック
サイバトロン用整備ドック
付属品
ラウンドヘッド
ダメージヘッド
ダメージウエスト
スタースクリームヘッド
スタースクリームインテーク
ロケットブースター
ロケットブースターの装着(コンテナ)
ビームエフェクト
エネルギー補給パイプ
エネルギー補給パイプ、レーザーライフルの収納
パーツトレイへの収納
ロボットモードのディスプレイ
変形
ロボット→ビークルモード
コンバットデッキの展開
スーパーダッシュ機構
移動攻撃体制
移動探査体制
移動指揮体制
タワー基地
ポーズ集
比較
過去のMPコンボイ
他のMPとのサイズ比
G1版
最後の騎士王キャリバーオプティマスプライム
メガトロンのG1、MP版
2010版スパイク、ダイアクロン隊員
再現シーン
ルビークリスタルの秘密(2話)
スチールシティ(23話)
トランスフォーマー・ザ・ムービー
二人のコンボイ(22話)
マーベルコミック版トランスフォーマー・ザ・ムービー
その他
関連ページ
トランスフォーマー マスターピース MP-44 コンボイ Ver.3.0【日本おもちゃ大賞2019 ハイターゲット・トイ部門 優秀賞】
- 出版社/メーカー: タカラトミー(TAKARA TOMY)
- 発売日: 2019/08/31
- メディア: おもちゃ&ホビー
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*1:ボットコンなどの限定のセット版ならこれを上回るのがある
*2:クラウドファンディングにて75600円となるWFCユニクロンが商品化されれば、更新される